みなさんは「タイベック」という素材を聞いたことがあるでしょうか。
タイベックとは、米国のデュポン社が開発した高密度ポリエチレンの不織布のこと。触り心地や見た目はまるで「紙」のようですが、手で引っ張っても引き裂けないほどの圧倒的な強度を持つ特殊な素材です。

↑写真は初代Tenuisと同時開発のViaという旅行用財布、後に製品化されたVolareの前身です
本来は建築資材や防護服、医療用など、極めて高い耐久性や機能性が求められるプロの現場で使われているものです。しかし近年、その独特の質感や面白さから、バッグや財布などのファッションアイテムに利用されるケースも増えています。
タイベックを財布に使う最大のメリットは、素材そのものが究極に薄くて軽いことです。そのため、これで作られた財布は自動的に極薄になりやすく、ミニマルな形状を簡単に作り出せるという大きな利点があります。
一方で、本格的な財布の定番素材である「革」や「布」と比べると、薄く柔らかい分だけ「くしゃくしゃになりやすい」という側面もあります。仮に破れずに長年使えたとしても、使い込むとシワが深く刻まれていくため、見た目のクオリティを綺麗に保ち続けるのは難しく、どうしてもそれなりの使用感が出てしまいます。
このように財布の素材としては一長一短ありますが、ガジェット感があり、プロダクトとしては非常に面白い素材です。実は、SOLAHANPUが過去に開発した記念すべき「初代Tenuis」も、このタイベックを採用することで圧倒的な薄さを体現していました。ブランドの原点を知る上でも、非常に思い入れのある素材です。
現在、SOLAHANPU以外にもタイベックを使った財布を展開しているメーカーは、国内外を問わずたくさんあります。本格的な二つ折り財布の形状から、フェスやアウトドアに最適な軽いジップウォレット、シンプルなカードケースのようなものまで多種多様。見比べてみると、いかに加工性に優れた面白い素材であるかがよく分かります。
現在のSOLAHANPUのメインシリーズでは、牛革、帆布、山羊革素材にシフトしたため、タイベック製品はありません。しかし、素材としてのポテンシャルや面白さは今でも色褪せていません。もしかしたら今後、この素材を使った新しい面白い製品を突発的に開発することもあるかもしれません。
今回は、初代Tenuisの歴史にも深く関わっている、不思議な素材「タイベック」のお話でした。
タイベックを利用した初代Tenuis
https://solahanpu.com/products/tenuis-first-canvas



